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第13回環太平洋精神科医会議(13th Pacific Rim College of Psychiatrists Scientific Meeting,以下PRCP)は,「変貌する環太平洋精神医学:多文化・多職種協働の精神医学(Recent Changes in Pacific Rim Psychiatry:Evolution of Multicultural/Multidisciplinary Mental Health)」をメインテーマに掲げ,2008年10月30日~11月2日の4日間,東京都千代田区の都市センターで開催された。PRCPは,1982年に太平洋地域の各国を代表する卓越した精神科医による少人数の会議として台北で発足した。以後,環太平洋地域の精神科医を中心とした精神保健の専門家が集まる国際学術会議として発展し,ほぼ2年ごとに開催されてきた。日本では1995年福岡大会(西園昌久大会長)以来,3度目の開催となる。日本学術会議,社団法人日本精神神経学会,日本社会精神医学会,多文化間精神医学会との共催であった本会議は,Allan Tasman PRCP会長,野田文隆大会長のもとで開催された。さらに井上新平プログラム委員長と,秋山剛事務局長のご尽力で,会議は3つの基調講演,1つの特別講演,8つの教育講演,5つの特別シンポジウム,各種シンポジウム,口頭発表,ポスター発表,さらに臨床から基礎研究,精神保健施策,多職種の協働に及ぶ多彩なプログラムから構成されていた。参加者も過去最多の600名を超える充実ぶりである。筆者らは,本会議に参加した印象を,若手精神科医という立場から,本会議のメインテーマの1つである「多文化」という視点と併せて述べてみたい。
まず本会議に先駆けた公認企画として,10月29,30日の2日間,「若手精神科医の学術的向上へのフェローシッププログラム」(Pre PRCP The Fellowship Program for Academic Development of Psychiatrists)が,NPO法人日本若手精神科医の会(Japan Young Psychiatrists Organization,以下JYPO)の運営により開催され,17か国から42名の若手精神科医が集まった。病院見学,各国の精神医療の紹介,Allan Tasman教授を囲んだ“Meet the expert”,学会発表の仕方,文献整理の演習など,プログラムの内容も多岐にわたっている。また10月30日午後の「隔離拘束に関する国際比較」では,事前アンケート,症例検討を通し,各国の若手精神科医との間で活発な議論が交わされた。
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