比較的短期間に神経，眼症状，画像上の変化を認めた有機溶剤中毒症とWernicke脳症が合併した1例

A Case of Chronic Solvent Abuse and Wernicke Encephalopathy with Damage of Central Nervous System, Optic Neuropathy and Pathognomonic MRI and SPECT Findings in Relatively Brief Period

はじめに

　以前よりシンナー乱用による中毒症状としてさまざまな神経症状，眼症状を起こすことが知られていたが，最近ではCT，MRI，SPECTなどを利用した脳の器質的変化の報告も相次いでいる。今回我々は，アルコールの併用もあったが，シンナーの乱用が比較的短い期間にもかかわらず顕著な神経，眼症状を呈し，画像でも脳の器質的変化が認められた31歳男性の症例を経験したので，若干の考察を加え報告する。