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特集 精神医学的コミュニケーションとは何か―精神科専門医を目指す人のために
精神医学診断とコミュニケーション
Psychiatric diagnosis and Communication
滝川 一廣
1
Kazuhiro TAKIKAWA
1
1大正大学人間学部
1Taisho University, Department of Walfare, Graduate School of Advanced Literary Studies, Tokyo, Japan
キーワード:
Psychiatric diagnosis
,
Communication
,
The principles of medern medcine
Keyword:
Psychiatric diagnosis
,
Communication
,
The principles of medern medcine
pp.19-24
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101149
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はじめに
医療において患者や家族とのコミュニケーションの必要を否定する者はいないだろう。たとえば増加する医療訴訟の背景には,技量不足や業務過多,専門性の高度化(細分化)がその反面でもたらす視野の狭まりなどによる「医療過誤」も無視できぬとしても,医療者-患者・家族間のコミュニケーションの不備が大きな要因として潜んでいよう。インフォームドコンセントの重視はこれを減らす努力のひとつであろう。こうした問題の裏には医学が必ずしも医療者-患者・家族間のコミュニケーションに意を尽くしてこなかった経緯があろうかと思われる。
医学領域のなかでも精神医学ではコミュニケーションの持つ意味がとりわけ大きい。それが本稿のテーマである。精神医学とは「コミュニケーションの医学」だといって過言ではないほど,コミュニケーションは精神医学の基底をなしている。精神医学におけるコミュニケーションといえば「精神療法」とか「カウンセリング」が頭に浮かぶけれど,それはむしろ枝葉と言いたいほど基底は深い。身体医学と対比するとわかりやすいかもしれない。診断を中心にコミュニケショーンについて考えてみたい。
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