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私のカルテから
Fluvoxamineの増量が有効であった仮面うつ病の1症例
A Case of Masked Depression Improved by an Increase in Dose of Fluvoxamine
清水 義雄
1
,
岸口 武寛
1
Yoshio SHIMIZU
1
,
Takehiro KISHIGUCHI
1
1国立病院機構岡山医療センター精神科
1Department of Psychiatry, National Hospital Organization Okayama Medical Center, Okayama, Japan
pp.1325-1327
発行日 2006年12月15日
Published Date 2006/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100809
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身体症状を主として示すうつ病は,身体の病気という仮面をかぶっているようにみえるため,「仮面うつ病」と呼ばれる7)。仮面うつ病のほとんどはうつ病の程度としては軽症と判断されることが多く,軽症うつ病と同義語とされている。しかし身体症状に隠されて心のうつ状態が見えにくく,うつ病であることが見逃される可能性があり注意が必要である3,9)。今回我々はうつ症状は早期に改善したが,約1年間にわたり持続した後頸部のだるさに対して,Fluvoxamine(以下FLUVと略す)の増量が有効であった症例を経験した。精神科医が仮面うつ病を診察する場合うつ病であることを見逃すことは少ないが,身体症状がうつ病の一症状であることを十分に認識しておくことが必要であると考えられた。
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