Japanese
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私のカルテから
葛藤の中で生じ身体表現性と思われた症状が器質性であった高齢女性の2症例
Two Elderly Women Diagnosed as Somatoform Disease but Proved to Have Organic Disease
上田 諭
1
,
小山 恵子
1
,
佐藤 克彦
2
,
陳野 美奈
1
,
諸岡 千草
1
,
戸田 ユリ子
3
,
勝尾 ふき子
3
Satoshi UEDA
1
,
Keiko KOYAMA
1
,
Katsuhiko SATO
2
,
Mina JINNO
1
,
Chigusa MOROOKA
1
,
Yuriko TODA
3
,
Fukiko KATSUO
3
1東京都老人医療センター精神科
2東京都教職員互助会三楽病院精神神経科
3東京都老人医療センター看護部
1Department of Psychiatry, Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital, Tokyo, Japan
2Department of Neuropsychiatry, Sanraku Hospital
3Division of Nursing, Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital
pp.1329-1331
発行日 2006年12月15日
Published Date 2006/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100810
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はじめに
身体症状を訴える患者に対する精神科診断には,まず器質性疾患の検索を行うが,とりわけ実際に身体疾患を有している可能性が高い高齢者においては,背景に身体的問題がないかどうか常に十分な注意を払う必要がある。今回,息子への依存欲求が満たされない葛藤状態のさなかに顕著な腰痛や嘔気を生じ,身体表現性の症状を疑われたが,入院後の精査で身体症状の原因となり得る器質性要因が判明した高齢女性の2症例を経験した。臨床経過を示し,高齢者の診断に際し留意すべき点について考察した。
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