Japanese
English
研究と報告
統合失調症(精神分裂病)患者における空間認知と生活行動特性との関連
Relation between Spatial Cognition and Life Behavior in Schizophrenia Patients
細美 直彦
1,2
,
西村 良二
1
Naohiko SAIMI
1,2
,
Ryoji NISHIMURA
1
1現,福岡大学医学部精神医学教室
2不知火病院
1Department of Psychiatry, School of Medicine Fukuoka University
2Shiranuhi Hospital
キーワード:
Schizophrenia
,
Spatial cognition
,
Life behavior
,
Drawing test
,
Psychiatric ward
Keyword:
Schizophrenia
,
Spatial cognition
,
Life behavior
,
Drawing test
,
Psychiatric ward
pp.637-644
発行日 2003年6月15日
Published Date 2003/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100678
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録
我々は,統合失調症患者の空間認知と生活行動との関連を探ることを目的に今回,描画を通して病棟認知を調べると同時に病棟内行動の観察を行い,さらに精神症状との関連について検討した。結果は,描画において,構成力を描画判読の視点として全体分割型,部分主体型に分類した。行動観察では,廊下に居ることが多い廊下優位,デイルームに居ることが多いデイルーム優位に分類された。比較を行い全体分割型では廊下優位の者が,部分主体型ではデイルーム優位の者が有意に多い結果が得られた。臨床評価では,全体分割型が部分主体型に比べ機能の全体評価での障害程度が軽度であった。
統合失調症患者の身体距離図式の障害において,デイルーム優位が多い部分主体型の認知を示す者は他者との接近が見られず交流が少ないと考えられた。廊下優位の多い全体分割型の者は居場所を探すための安全と情緒的な満足を得ようとする行動と考えられた。これらのことから各々のタイプへ適切と思われる治療的接近法について考察した。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.