Japanese
English
研究と報告
妄想に対する認知療法の効果―集団形式を利用した臨床研究
The Effect of Cognitive Therapy for Delusion: A clinical study with group sessions
石垣 琢麿
1
,
道又 襟子
2
,
大久保 ゆうこ
2
,
小池 のぞみ
2
,
平山 佐織
3
,
葉柴 陽子
3
Takuma ISHIGAKI
1
,
Eriko MICHIMATA
2
,
Yuko OKUBO
2
,
Nozomi KOIKE
2
,
Saori HIRAYAMA
3
,
Yoko HASHIBA
3
1横浜国立大学教育人間科学部
2丹沢病院
3横浜国立大学大学院教育学研究科
1Faculty of Education and Human Sciences, Yokohama National University
2Tanzawa Hospital
3Graduate School of Education, Yokohama National University
キーワード:
Schizophrenia
,
Residual delusion
,
Group cognitive therapy
,
Cognitive assessment
Keyword:
Schizophrenia
,
Residual delusion
,
Group cognitive therapy
,
Cognitive assessment
pp.955-962
発行日 2004年9月15日
Published Date 2004/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100548
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抄録
妄想に対する認知療法の効果研究はわが国ではいまだ少ない。本研究では薬物療法抵抗性の妄想をもつ統合失調症入院患者8名に対して,個別介入を含む柔軟な構造の集団認知療法を実施した。その結果,妄想の発生状況が明確になり何らかの対処行動がとれるようになった。また,BPRS総合得点と妄想に関する確信度・コントロール不能性・行動阻害度は治療終了6か月後まで改善が維持された。しかし,個人的重要度・反証に対する抵抗度は治療終了後元のレベルに戻った。長期間異常体験が続き,妄想が親和的になっている患者に対しても認知療法の有効性が示唆された一方,治療期間や薬物療法との関連についてさらなる検討が必要と考えられた。
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