オピニオン PTSDをめぐって
日常・法的書類上のPTSD診断と訴訟事例
黒木 宣夫
1
1東邦大学佐倉病院精神科
pp.452-454
発行日 2004年5月15日
Published Date 2004/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100479
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1998年6月横浜地裁で民事訴訟事案(交通事故)におけるPTSD診断が法曹界で大きな議論となったことは周知の事実である。そして最近では,民事訴訟でPTSDという診断名のもとに損害賠償の訴訟の請求拡大や,刑事訴訟で被害者がPTSD診断を受け,そのために加害者が暴行罪からより重い傷害罪へと罪状が切り換えられる事案が出てきており,PTSD診断をめぐる賠償・補償問題は,今や大きな社会問題となりつつある。2002年度災害科学に関する研究(厚生労働省)1)<日本精神神経学会,日本産業精神保健学会の合同調査「PTSDの診断と補償に関する調査」>の概要を述べ,また訴訟事例を提示し見解を述べる。
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