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短報
パロキセチンの大量服薬により昏睡と瞳孔散大を呈し,セロトニン症候群の不全型と考えられた1例
Coma and Mydriasis Associated with Probable Serotonin Syndrome
和気 洋介
1
,
岸本 由紀
2
,
山田 了士
1
,
大西 勝
1
,
黒田 重利
1
Yosuke WAKE
1
,
Yuki KISHIMOTO
2
,
Norihito YAMADA
1
,
Masaru ONISHI
1
,
Shigetoshi KURODA
1
1岡山大学大学院医歯学総合研究科精神神経病態学教室
2国立岩国病院神経精神科
1Department of Neuropsychiatry, Graduate School of Medicine and Dentistry, Okayama University
2Department of Neuropsychiatry, Iwakuni National Hospital
キーワード:
Paroxetine
,
Mydriasis
,
Serotonin syndrome
Keyword:
Paroxetine
,
Mydriasis
,
Serotonin syndrome
pp.291-293
発行日 2004年3月15日
Published Date 2004/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100456
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はじめに
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は三環系抗うつ薬とほぼ同等の抗うつ効果が期待されている。一方で抗うつ作用のみならず抗不安作用に優れているため,うつ病のみでなく不安障害にも広く使用されている。しかしその強いセロトニン阻害作用から,セロトニン症候群といった重篤な副作用出現の可能性があるため十分な注意が必要である1,7)。近年,セロトニン症候群では典型例はむしろまれであり,不全型ともいうべき軽症例が多いとされている4,8)。今回我々は,摂食障害として治療中にparoxetineの大量服薬により,昏睡と瞳孔散大を呈したセロトニン症候群の不全型と考えられた1例を経験し,瞳孔径の測定も早期診断のために重要であると考えられたため報告する。
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