オピニオン 認知症のBPSDに非定型抗精神病薬を使用すべきか否か
適切な判断と十分なICのもと非定型抗精神病薬を用いる
新井 平伊
1
1順天堂大学医学部精神医学教室
pp.1162-1164
発行日 2006年11月15日
Published Date 2006/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100347
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はじめに
米国FDAが認知症における非定型抗精神病薬投与に関して警告3)して以来,臨床では大きな困惑と混乱が生じているといえる。そこで,改めてBehavioral and Psychological Symptoms of Dementia(BPSD)の治療に非定型抗精神病薬を使用せざるを得ない状況について考察してみるが,ここでは中でも焦燥,興奮,不穏,幻覚,妄想といった症状に対する薬物療法について論じることを理解されたい。また,あらかじめ確認しておく必要があるのは,わが国では認知症における非定型抗精神病薬投与は今のところ保険適用外使用に当たることである。この点は,直面する問題に速やかに対応せざるを得ない臨床とは異なる観点ではあるが,後述するように医療の実践において大きな問題となるのも事実である。
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