Japanese
English
シンポジウム MCIとLNTDをめぐって
なぜ今MCIとLNTDか
Why are MCI and LNTD now Topical?
小阪 憲司
1
Kenji KOSAKA
1
1聖マリアンナ医学研究所
1St Marianna Medical Institute
キーワード:
Mild cognitive impairment
,
MCI
,
Limbic neurofibrillary tangle dementia
,
LNTD
,
Dementia with tangles only
Keyword:
Mild cognitive impairment
,
MCI
,
Limbic neurofibrillary tangle dementia
,
LNTD
,
Dementia with tangles only
pp.547-550
発行日 2006年5月15日
Published Date 2006/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100273
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はじめに
この特集は,第10回神経精神医学会(会長:加藤進昌東大教授)において,筆者と田邊(愛媛大教授)が企画し座長を務めたシンポジウムを中心に組んだものである。MCI(mild cognitive impairment;軽度認知障害)についてはすでによく知られており,最近では一般の人たちの間でも知られるようになってきているが,LNTD(limbic neurofibrillary tangle dementia;辺縁系神経原線維変化認知症)はあまり知られていない,耳慣れない用語であると思われる。
MCIが今トピックになっているのは,認知症,特にアルツハイマー型認知症(ATD)の早期発見・早期治療,さらにはその予防のうえで重要な概念として重要視されるようになったからである。MCIについては,他の著者により詳述されるので,ここでは簡単に触れるにとどめる。一方,LNTDは特に後期高齢者に発症する特有な認知症であり,普通はATDと間違われているもので,後期高齢者のMCIを考える場合にはATDと同様に,あるいはそれ以上に,LNTDを考慮しなければならないほど重要な認知症である。現在も後期高齢者は増加しており,わが国では近い将来には超高齢社会を迎え,後期高齢者がますます増加することは間違いない。そういう状況にある今,「MCIとLNTDをめぐって」はきわめて今日的な話題であると思われる。
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