Japanese
English
短報
反復する暴力行為と下着窃盗に対してparoxetineが奏効したフェティシズムの1例
A Case of Fetishism with Repetitive Acts of Violence and Thefts of Female Underwear Improved by Paroxetine
堀 正士
1
Masashi HORI
1
1筑波大学大学院人間総合科学研究科感性認知脳科学専攻精神機能障害学分野
1Doctoral Program in Kansei and Cognitive Brain Sciences, Graduate School of Comprehensive Human Science, University of Tsukuba
キーワード:
Paroxetine
,
Intermittent explosive disorder
,
Theft of female underwear
,
Fetishism
Keyword:
Paroxetine
,
Intermittent explosive disorder
,
Theft of female underwear
,
Fetishism
pp.443-446
発行日 2006年4月15日
Published Date 2006/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100254
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はじめに
フェティシズムを含む性的倒錯については,本人が症状で悩むことが少ないため,潜在的な数に比較して精神科外来に治療を求めてくる症例が少ない6)。一方で,暴力行為や窃盗の事例も精神科外来を自ら訪れることは珍しく,ほとんどは刑事事件の事例として処理される。しかしこれらの中には治療可能な衝動制御の障害としてとらえることも可能な事例がある8)。今回,常用量のparoxetineが反復する暴力行為と下着窃盗に奏効したフェティシズムの1男性例を経験した。稀な症例であると考えられたので,診断や治療に関する若干の考察を加えて報告する。なお,症例の内容に関しては,プライバシー保護の観点から,病歴や考察に支障を来さない程度に変更を加えたのでご容赦いただきたい。
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