書評
誤りやすい異常脳波(第3版)
山内 俊雄
1
1埼玉医大・精神医学
pp.106
発行日 2006年1月15日
Published Date 2006/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100199
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
脳波の日常的な疑問に答える深みのあるガイドブック
脳の検査法は格段に進歩している。特に画像診断はCTからMRIへ,そして3次元画像からさまざまな機能画像へと,その進歩はとどまるところを知らない。そんな中にあって,いわゆる臨床脳波は,脳から導出された電流を波形としてみるという方法をかたくなに守っている。もちろん,脳波のコンピュータ解析やマッピングも行われてはいるが,脳波波形を通して,脳の働きを読み取ることができるという臨床脳波の意義は,今でも変わらない。
それにしても,脳波波形を通して脳機能を読み取る姿勢が,教育現場から少しずつ薄れていっていることは残念なことである。それはおそらく,現代では,アナログ的姿勢よりデジタル的姿勢がより好まれ,数字化されたものに,より安心を求める風潮とも関係しているように思われる。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.