今月の主題 ベッドサイドの痴呆学
痴呆へのアプローチ
痴呆と誤りやすいもの—とくに意識障害
山之内 博
1
1東京都老人医療センター・神経内科
pp.2038-2040
発行日 1990年10月10日
Published Date 1990/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900529
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
日常の診療において,痴呆と誤りやすい疾患(状態)で最も重要なのは,せん妄状態を中心とする意識障害である.厳密な意味での痴呆は治療手段のないものが多いが,せん妄状態をきたす疾患の中には治療可能なものが少なくないので,これらの鑑別は重要である.いわゆるぼけ状態,痴呆様症状の患者を診るとき,とくに症状が比較的急激に起こっているときには,これは痴呆だからどうしようもないとは思わずに,できるだけ原因疾患を追求することが大切と考える.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.