Japanese
English
特集 「結核緊急事態宣言」と対策
コンプロマイズド・ホストでの結核
Mycobacterium tuberculosis Infection in Immunocompromised Patients
永井 英明
1
Hideaki Nagai
1
1国立療養所東京病院呼吸器科
1Department of Respiratory Diseases, National Tokyo Hospital
pp.1107-1112
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902560
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はじめに
医療の進歩とともにコンプロマイズド・ホスト患者は増加しており,そのような患者では感染症の合併が予後を左右する大きな因子となっている.また,日本は先進国の中では結核罹患率の非常に高い国であり,コンプロマイズド・ホストが結核に罹患する危険性は他の国よりも高いといわざるをえない.したがって,コンプロマイズド・ホストの診療に当たっては,結核合併の危険性を常に念頭におく必要がある.
結核菌に対しての生体側の防御機構としては,液性免疫よりも細胞性免疫が主である.したがって,免疫不全を生じる病態の中で細胞性免疫の低下が予想される場合は常に結核発病の危険性があることを知っておかなければならない.表1に結核発病の危険性の高い病態を示したが,細胞性免疫が破壊されるAIDSが最も危険である.
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