Japanese
English
Current Opinion
急性心筋梗塞の治療高齢者を中心に
Reperfusion Therapy in Elderly Patients with Acute Myocardial Infarction
山元 博義
1
,
平山 篤志
1
Hiroyoshi Yamamoto
1
,
Atsushi Hirayama
1
1国立大阪病院循環器科
1Department of Cardiology, Osaka National Hospital
pp.941-948
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902536
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はじめに
急性心筋梗塞が冠動脈の粥腫の破綻とそれに引き続く血栓形成が主な病態とする,いわゆる急性冠症候群1)であることを考慮に入れ,再灌流療法もmodarityごとの特徴を十分考慮した工夫が加えられるようになってきた.
すなわち,血栓溶解療法では,血栓溶解剤とGPIIb/IIIa拮抗薬などの抗血小板剤,または低分子ヘパリン,bivalirudin,抗Xa因子製剤などの抗凝固剤との併用療法の有用性が検討されており,また冠動脈インターベンション(PCI)では治療開始までに時間がかかる点を克服するため,血栓溶解剤との併用療法が検討され,その有用性が示された.
また,カテーテルによる血栓除去,塞栓防止のためのハード面での進歩も期待されている.さらに,研究レベルでは新しいアプローチとして抗アポトーシス剤,抗炎症剤による梗塞サイズの縮小化,幹細胞移植による梗塞巣の修復などの試みがなされはじめている.
本稿では,表1に示すような臨床的特徴をもつ高齢者を取り上げながら,特に急性期再灌流治療につき概説する.
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