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Bedside Teaching
心サルコイドーシスを見逃さないポイントと治療の注意点
Essential Points of Diagnosis and Treatment in Cardiac Sarcoidosls
鈴木 忠
1
,
奥村 渉
2
,
岩崎 勉
2
Tadashi Suzuki
1
,
Wataru Okumura
2
,
Tsutomu Iwasaki
2
1群馬大学医学部保健学科
2群馬大学医学部第二内科
1Department of Laboratory Sciences, Gunma University School of Health Sciences
2Second Department of Internal Medicine, Gunma University School of Medicine
pp.1137-1141
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901996
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サルコイドーシスは慢性増殖性炎症性肉芽腫を特徴とする全身性疾患で,一般に予後は良好である1).しかし,サルコイドーシスにおける心病変・心サルコイドーシスは,心不全や突然死を引き起こし予後不良であるため2,3),サルコイドーシス症例において心病変の早期診断は重要である.本症ではステロイド治療が有効とされ,特に心サルコイドーシス症例では心障害の進展を阻止し予後改善を図るために,早期に診断し積極的なステロイド治療が望まれる.心サルコイドーシスは決して稀ではなく,サルコイドーシスの経過中に房室ブロックなどの心電図変化などの心異常が出現した際には,その臨床診断は比較的容易であるが,心不全,房室ブロックなどの心症状を初発症状として受診した際には見逃されがちである.心サルコイドーシスを見逃さないポイントとして最も重要なことは,本症の臨床的特徴を十分に把握して心異常の原因疾患として心サルコイドーシスを疑うことである.
本稿では心サルコイドーシスの臨床的特徴および治療について自験例の検討を交え解説するスの死因として心サルコイドーシスの占める割合は高い2-4).一方,心病変の頻度に比し臨床症状を示すものは5%未満とされている5).
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