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特集 血管新生と臨床医学
臨床医に必要な血管新生のメカニズム
Mechanism of Angiogenesis Essential for Clinician
佐藤 靖史
1
Yasufumi Sato
1
1東北大学加齢医学研究所腫瘍循環研究分野
1Department of Vascular Biology, Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University
pp.433-439
発行日 1999年5月15日
Published Date 1999/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901889
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はじめに
血管は,体内のあらゆる部位に分布する生体の基本的な構造物であり,内腔に面して存在する単層の血管内皮細胞と,その周囲を取り囲む壁細胞とによって構築されている.このうち,壁細胞は,大きな血管の平滑筋細胞と細小血管にペリサイトに区別される.通常,成熟個体において血管を構成する細胞は分化した状態で細胞周期の休止期にあるが,血管新生に際しては脱分化して遊走・増殖し,新しい血管を構築する.血管新生とは既存の血管から新しい血管ネットワークが形成される現象と定義されており,成熟個体における血管新生の発生部位は細小血管に限定される.
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