Japanese
English
特集 サルコイドーシス
サルコイドーシスの治療
Sarcoidosis and Therapy
橋本 修
1
,
庄田 利明
1
Shu Hashimoto
1
,
Toshiaki Shoda
1
1日本大学医学部第一内科
1First Department of Internal Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.47-54
発行日 1998年1月15日
Published Date 1998/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901624
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
サルコイドーシスの病態の解明が進んでいるが,その原因を含め明らかにされていないことが多い.年齢,性別,人種,発症様式,病変臓器の分布と程度などの因子がサルコイドーシスの臨床経過と予後に影響を与え,一般的に50〜70%の症例は自然に治癒するが,2〜10%が進行性で難治性の経過をたどる 1〜5).このために,多くの症例では無治療のまま臨床経過を観察するが,一部の症例ではステロイド治療の対象となる.現在,サルコイドーシスに対するステロイド治療の絶対的な適応は,心臓サルコイドーシスおよび中枢神経系サルコイドーシスであることに異論はないと思われる.その他の臓器病変に対しては,その程度によってステロイド治療が行われることがあるが,適応症例の選択に関しては一致した見解は得られていない.
本稿では,サルコイドーシスの治療に関して肺サルコイドーシスのステロイド治療を中心に,歴史的な事項をまじえて解説する.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.