Japanese
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特集 呼吸困難の病態と対策
急性上気道狭窄による呼吸困難
Respiratory Distress due to Upper Airway Obstruction
川城 信子
1
Nobuko Kawashiro
1
1国立小児病院耳鼻咽喉科
1Department of Otorhinolaryngology, National Children's Hospital
pp.227-232
発行日 1997年3月15日
Published Date 1997/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901432
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はじめに
上気道は鼻から声門下までの範囲をさす.急性の上気道狭窄が疑われる呼吸困難症例に遭遇した時,まずどの程度の緊急性を要するかを判断しつつ,検査をすすめる.緊急を要すると判断すればただちに気道の確保をしてから,検査をすすめる必要がある.少し余裕があれば,気道のレントゲン写真とfiberscopyを施行して,原因疾患を明らかにしてから対処する.気道の確保や管理については麻酔科医との連絡を密にして連携をよくしておくことが大事である.
急性の上気道狭窄を来す疾患として最も注意すべき疾患は声門下喉頭炎,急性喉頭蓋炎の炎症性疾患である.他に異物誤嚥事故,アレルギーによる喉頭浮腫などであるが,乳児では先天性疾患,嚢胞性疾患や腫瘤もある.小児における気道の特殊性,上気道狭窄を起こす疾患,対処について述べる.
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