Japanese
English
Bedside Teaching
QT延長とマグネシウム療法
Antiarrhythmic Effects of Magnesium in Long QT Syndrome
清水 渉
1
Wataru Shimizu
1
1国立循環器病センター内科心臓部門
1Division of Cardiology, Department of Internal Medicine, National Cardiovascular Center
pp.1273-1278
発行日 1996年12月15日
Published Date 1996/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901384
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
QT延長症候群は,心電図上QT時間の延長を認め,Torsades de Pointes(TdP)と称される多形性心室頻拍を引き起こし(図1)1),失神発作や突然死の原因となりうる疾患である.一方,陽イオンであるマグネシウムはNa-K ATPaseをはじめとする数多くの酵素反応に関係し,ジギタリス中毒に伴う不整脈や心筋梗塞急性期の心室性不整脈に対する効果はよく知られている.
最近,QT延長症候群に伴うTdPの急性期にもマグネシウム静注の有効性が報告されている2〜4).本稿では,種々の原因で認めるQT延長とTdPの機序について触れ,マグネシウムの作用機序とQT延長症候群におけるマグネシウム療法の実際について概説する.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.