Japanese
English
Bedside Teaching
急性心筋梗塞におけるTIMI分類とその臨床的意義
Clinical Aspect of TIMI Classification in Acute Myocardial Infarction
銕 寛之
1
Hiroyuki Kurogane
1
1兵庫県立姫路循環器病センター循環器科
1Department of Cardiology, Himeji Cardiovascular Center
pp.383-390
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901233
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はじめに
急性心筋梗塞の急性期治療は一義的に早期再灌流を図ることで,その結果,梗塞範囲の縮小,進展阻止効果,再梗塞の予防,梗塞後狭心症の発症予防,死亡率の低下などが認められるようになった.しかし,再灌流療法の適応および成否の評価にあたり,初回冠動脈造影あるいは再灌流後の開通の程度は完全閉塞例,亜完全閉塞例,狭窄のみの例など様々であり,再灌流前後の灌流度の分類が必要であった.
1985年,Thrombolysis in Myocardial Infarc—tion Trial(TIMI)研究グループにより再灌流の程度に関する分類が提唱された1).本研究は心筋梗塞発症早期の血栓溶解療法として組織型プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)とストレプトキナーゼを用いた冠動脈再灌流療法の成功率を検討したものである.TIMIの灌流度分類(表1)は冠動脈造影上の灌流程度をgrade 0,1,2,3の4段階に分類したもので,grade 0は完全閉塞で前方血流が全くない,grade 1は造影剤が閉塞部位を通過するが末梢が完全に造影されない,grade2は造影遅延がみられるが末梢まで完全に造影される,grade 3は造影遅延なく末梢まで完全に造影されると定義され,この分類は現在も再灌流の成否の判定基準として広く用いられている.
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