印象記
第68回アメリカ心臓学会(1)
永井 良三
1
,
松﨑 益徳
2
,
平山 篤志
3
,
足立 孝好
3
,
三田村 秀雄
4
,
北風 政史
5
1群馬大学医学部第二内科
2山口大学医学部第2内科
3大阪警察病院心臓センター
4慶應義塾大学医学部内科呼吸循環器内科
5大阪大学医学部第一内科
pp.325-329
発行日 1996年3月15日
Published Date 1996/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901225
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1.95AHAの特徴
昨年11月12日から16日まで,カリフォルニア州アナハイムにおいて,第68回のアメリカ心臓学会が開催された.参加者は3万人を超え,外国からは5年前には全参加者の27%であったのが,今回は45%まで増加した.応募演題は12,242題,発表演題は3,874題で,日本からの演題がアメリカ以外でもっとも多数を占めた(一説に500題近くといわれる).確かに日本人研究者の発表は各会場で目についていたが,AHAの国際化は日本だけでなく,韓国や台湾,中国本土などのアジア各国研究者の発表も大きく貢献している.さらに南米,ヨーロッパなどのAHAにこれまで参加者が多くなかった国からも多数の演題が発表されていた.このことはAHAが単なるアメリカ心臓学会の枠をこえて一種のWorld Congressになりつつあることを示している.同時に,心臓病の臨床医学や基礎研究がもはや米国の独壇場ではなくなり,世界中へ拡散しっっあることが感じられる.わが国の研究者はこれまで主に米国の研究情報に注目していたのが,これからは世界中の研究者の動向も見なければならなくなったわけである.まさに学問の国際化が始まったといえよう.
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