Japanese
English
Bedside Teaching
ACE阻害薬と咳嗽
ACE inhibitors and cough
小林 秀一
1
,
平林 高之
2
,
川上 義和
1
Syuichi Kobayashi
1
,
Takayuki Hirabayashi
2
,
Yoshikazu Kawakami
1
1北海道大学医学部第一内科
2砂川市立病院循環器内科
1The First Department of Internal Medicine, Hokkaido University School of Medicine
2Departlnent of Cardiology Sunagawa City Hospital
pp.763-767
発行日 1990年8月15日
Published Date 1990/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900192
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近年降圧剤開発の進歩は目覚ましいが,中でもAn-giotensin Converting Enzyme(以下ACEと略す)阻害薬の出現はそのすぐれた降圧作用と,患者の“qualityof life”の改善によって画期的なものである。同薬は比較的副作用が少なく,中枢神経系や心機能に対する抑制作用のないこと,糖脂質,尿酸代謝に対する影響などが極めて少ないことより現在高血圧治療の第一選択薬に位置づけられている。また降圧作用以外にも,心不全における死亡率の減少および心筋梗塞後の心機能の改善が報告されて以来ますますその使用頻度が増してきている。ところが1985年Soseko,Kanekoらによる初めての報告以来1),その副作用としてかなりの頻度で咳嗽が出現することが注目されている。以下症例を提示するとともに,この副作用の疫学,病因,治療について現時点での知見を解説する。
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