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特集 プロスタサイクリン
末梢動脈循環障害に対するプロスタグランディンI2の効果
Prostacyclin therapy for peripheral artery disease
草場 昭
1
Akira Kusaba
1
1琉球大学医学部第二外科
1The Second Department of Surgery, Faculty of Medicine, University of the Ryukyus
pp.871-876
発行日 1985年7月15日
Published Date 1985/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204705
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四肢阻血性症状の改善を目的とする薬剤には,プロスタグランディンE1を始めとする血管拡張剤,チクロピジンを始めとする血小板凝集抑制剤,ピリジノールカルバメートなどの血管作働性物質など種々のものが市販され,60〜68%の治療効果が報告されているが,なお十分な感触が得られていないのが現状である。
最近,プロスタグランディンI2が合成され,Szcze—klik(1978)1)によって閉塞性動脈硬化症の阻血性潰瘍に対する臨床応用が初めて試みられ,O'Grady (1980)2)によってその効果が確認されて以来,末梢動脈循環障害に対する臨床治験が行なわれるようになった。本邦においても,昭和60年度から,プロスタグランディンI2誘導体であるOP−41483,あるいはTRK−100を用いて,閉塞性動脈硬化症,バージャー病,あるいはレイノー症候群の症状改善,ならびに四肢血行再建術における術後血栓性閉塞防止を目的として,全国多施設による臨床治験が開始された。
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