特集 循環機能の正常値
心臓・大血管のCTによる計測値
増田 善昭
1
1千葉大学第3内科
pp.667-669
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204024
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X線CTとは対象体に種々の方向からX線を照射し,その透過量をデータとし,コンピュータを使って対象体のある断面のX線吸収度別の像を再構成する方法である。X線吸収係数はCT値として表示されるが,現在使用されているCT値は水0,空気−500,骨+500のEMI単位か,水0,空気−1000,骨+1000のHounsfield単位(H単位)が用いられている。心筋および関連組織のCT値の正常値は表1に示すごとくであり1〜3),心筋は血液とほぼ同じCT値を持つため,通常CTでは両者を区別できず,心壁と心腔を分離するためには造影剤によるEnhancementを必要とする。一方,心筋は脂肪や組織液より高いCT値を持ち,脂肪や組織液で分離された心内構造物は単純CTでも区別可能である。表2,3には単純CTで計測「可能な構造物の種々レベルにおける断面積の正常値を示した4,5)。われわれの値4)は,Guthaner5)らの値よりやや低値であるが,これは我国とアメリカの対象者の体格差によるものであろう。また,表4にはBrecht6)らによる年齢,性別の大動脈径の正常値を示した。
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