巻頭言
心臓カテーテル検査について
楠川 禮造
1
1山口大学医学部第2内科
pp.515
発行日 1978年6月15日
Published Date 1978/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203201
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Forssmannが1926年彼自身の左肘静脈よりカテーテルを右房まで挿入して以来,心臓カテーテル検査法の臨床応用が始まったとされているが,その後Cournand, Zimmermanらによって検査の手技,意義が確立されてから広く行われるようになり,現在循環器病学の最も重要な診断法の一つであることは言うまでもない。更にSonesによる冠動脈造影法も虚血性心疾患の診断には不可欠のものである事をつけ加えねばならない。
しかし一方心電図,心音図ならびに核医学等の非侵襲的検査法は超音波診断法の導入によって一段とその価値が高まり,各検査法の有する限界内においては疾患診断のみならず機能的診断においても充分に信頼性をもつものと考えられる。心血管造影法を含む心臓カテーテル検査の意義はここにおいても不変であるにしても,相対的価値判断に立って検査に対する適応,方法論について再考を必要とする時期ではないかと思う。
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