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僧帽弁狭窄症においてはその血行動態上の負荷の性質上,早期より左房負荷所見があらわれ僧帽弁狭窄症の重症度の判定に心電図P波が重要な意義を有することは広く知られている。また,僧帽弁狭窄症のみならず,左心房に負荷を与える疾患でP法が特有の変化を示し,ある場合には,QRS波やT波より早期に異常を示すことが注目されて来た。Sodi-Pallaresら1)は,左房負荷所見が高血圧症の際の心電図変化として最も初期からあらわれることを指摘し,その他,冠動脈硬化症や心不全などでもP流の異常を来すことが報告されている。従って,DeOliveiraら9)が心室に負荷を有するすべての疾患でP波異常を起しうると述べている如く,P波は単に心房機能のみならず,心室機能,特に拡張期における左心室の動態をも反映していると考えられる。
そこで,今回著者らは拡大高速度記録心電図法,UCGおよびUCG法と左室内圧同時記録の方法を用い,左心系疾患において心電図P波と左室拡張期動態を表現すると考えられる各種パラメーターとを比較し,P波の変化より左室拡張期動態が推察できるか否か,また,左室への負荷のかかり方の違いによってP波の変化に差異があるか否か,の2点につき検討を加えた。
The relation between abnormalities of the P wave of the electrocardiogram and the left ventricular function during diastole as shown by echocardiography and left ventricular pressure has been investigated in 35 patients with heart disease (hypertensive heart disease, valvular heart disease and myocardial disease).
The results were as follows:
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