特集 血液測定
マイクロスフェアー法の応用
電磁法の臨床応用—中枢と末梢動脈
鰐渕 康彦
1
,
井島 宏
2
,
佐野 文男
3
,
中西 昌美
3
,
西村 昭男
3
,
沖野 遥
4
1三井記念病院外科
2東京女子医科大学理論外科
3北海道大学第1外科
4東海大学生理学
pp.605-610
発行日 1974年8月15日
Published Date 1974/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202658
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ヒトの大動脈や肺動脈などの大血管の血流測定は心臓外科の発展につれて開胸時に電磁血流計を用いて行われるようになった。現在でも所期の程に普及していないのは,(1)術中測定に限られる,(2)消毒や安全性などの技術的制約があり,また(3)プローブ径を各種具える必要性と経済的制約があった。またプローブ形状,特にスリット幅の狭い従来の形の病的心血管への装着は危険と困難を伴っていた。この点は図1に示す血管周囲の剥離を要しないthree quarter形プローブの実用化によって術中測定が簡単になり,雑音のない記録が可能となった,実例を図2a,bに示すが,ASDの術前後の上行大動脈と肺動脈主幹の血流の同時記録で,中隔欠損の閉鎖後に左—右短絡の消失に伴って大動脈と肺動脈の血流量がほぼ等しくなっている。
図3は大動脈弁閉鎖不全症に人工弁置換術を行った大動脈血流波形で,術後に逆流が消失している。図4はファロー四徴症の肺動脈血流波形で,根治手術後に右心の拍出様式の変化や逆流の消失などの程度を量的に示している。
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