印象記
第13回日本胸部疾患学会
福島 保喜
1
1東京都立養育院付属病院呼吸器科
pp.656
発行日 1973年7月15日
Published Date 1973/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202514
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第13回日本胸部疾患学会は息つくひまもなく終った。洵に盛り沢山な学会だったと思い出される。第11回,12回が138題172題そして今回が221題という多数の演題のプログラムには総会役員諸氏の苦労も並大底のものではなかったと思われる。特別講演と招請講演の各2題と7つのシンポジウムはまさしく圧巻ではあった。これらの聴講のために第1会場へ釘付けされた先生方も少なくなかったことであろう。私もその1人で一般演題には殆ど時間がさけなかった。この限り私にとっては拝聴の集会であり,討論の場としての印象は薄い始末となった。特講(Ⅰ)のS. I. Saidの発表は,そのお膳立ての上手さ,スライドの奇麗さに内容に引き入れられた聴衆も多かったようで,血発作動性物質の肺内代謝を平易にまとめ,問題提起までしている点,理解され易かったのではなかろうか。その(Ⅱ) W, M. Thurlbeckの肺気道閉塞の形態学はかなり予備知識と語学力を要求された。機能形態学の一つの型をみせつけられたが,討論したい点も少なくない。またbronchitisとbronchiticsとが聴きわけられない先生方の会話を耳にしたが,こうした外人学者の講演などは録音カセットなどで面倒をみる機関があってもよいのではなかろうか。招講(Ⅰ)では電気インピーダンス法などという聞きなれぬ標題に戸惑われた向きも少なくないと思われる。この方法の歴史,内容,応用など丁寧詳細に紹介された吉良先生の構成は見事であった。
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