Japanese
English
ジュニアコース
心造影法からみた左心室容積
Angiocardiographic estimation of left ventricular volume
楠川 禮造
1
,
篠山 重威
1
Reizo Kusukawa
1
,
Shigetake Sasayama
1
1天理よろづ相談所病院循環器内科
1Department of Cardiology, Tenri Hospital
pp.517-525
発行日 1972年6月15日
Published Date 1972/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202391
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心臓の大きさを計測する試みはほとんどX線が発見された直後に始まるといわれている1)。血行動態の生理的あるいは病態生理学的研究における心容積計測の重要性はいうまでもなく2)〜7)9)10)11),収縮期において放出されるエネルギーは拡張期における容積に関係するというStarlingの法則によっても明かであろう。単純なX線撮影による心陰影から種々な方法で心容積の計測が試みられているが,これは心臓全体の計測であり,個々の心房あるいは心室の容積算出の試みは,心血管造影法が始められて以後,なされたものである。このうち右心室および右心房はこの内腔の形態が複雑であるため,一定の算出方法はえがたく,もっぱら左心室および左心房8)に研究が向けられたようである。またこの方法による心容積もX線撮影の装置,計算上の多くの仮定によっても異なり,経験とともに次第に正確度を加えてきたようである。
また,一方これに対して非観血的あるいは間接的な方法によって心容積を求める試みがなされるようになった。Echocardiography12), Radioisotope13)による心Scincigramがそれである。また観血的方法であるが別の求め方としてThermodilution14)16)17)あるいはdye dilution14)18)による方法がある。これらの方法は用いられる装置,操作,結果において一長一短があり,完全な方法はないような状態である。
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