Japanese
English
Bedside Teaching
洞房ブロック
Sino-Atrial Block
土肥 一郎
1
Ichiro Dohi
1
1中央鉄道病院内科
1Central Hospital of the Japanese National Railways
pp.173-178
発行日 1971年1月15日
Published Date 1971/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202239
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はじめに
心臓の興奮伝導異常を考えるときに,洞結節の興奮が心房へ伝わる個所と心房の興奮が心室へ伝わる個所とにおける伝導障害は,不整脈の構成に大きな役割を果たしている。局所の器質的または機能的な障害によって,不応期をすぎた時点に到達したインパルスの通過がはばまれることがブロックである。
現在では洞房ブロックも房室ブロックも心電図の上で観察される問題であるが,ヒトについて日常記録される心電図では洞結節の興奮は波形としては表現されないので,洞結節から規則正しく出るインパルスの1つが洞房ブロックのために心房へ伝わらない場合と,洞結節からのインパルス発生が1つ休んだ場合とを区別することはできない。この点では,房室ブロックの場合にP波が出てこれがつながってつくられるR棘の出現が遅れたり,またはR棘が脱落したりすることによって,ブロックの存在が表面に現われるような見易さがないわけである。
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