Bedside Teaching
Straight Back Syndrome
赤塚 宣治
1
,
小松 行雄
2
Nobuharu Akatsuka
1
,
Yukio Komatsu
2
1東京大学医学部第1内科学教室
2三宿病院内科
11st Department of Internal Medicine, University of Tokyo
2Department of Internal Medicine, Mishuku Hospital
pp.807-811
発行日 1969年9月15日
Published Date 1969/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202070
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患者は21才の女子事務員,会社の身体検査で心臓病を疑われ,精密検査のため外来を訪れた。以前より疲れ易さはあったが,とくに病気をしたことはない。小学校時代,クラブ活動でアコーディオンを持ち運んだ後に疲労感が続き,約1ヵ月間学校を休んだことがある。しかし学生時代に心疾患とされたことはなく,したがって体操も普通におこなってきた。今回初めて心臓病といわれ,年頃だけに非常にびっくりしたらしい。紹介医からの手紙には簡単に心雑音があるから精査してほしいと書かれてあった。
彼女は適度に日焼けし,健康的な感じの痩身の美人であった。身体所見では貧血,甲状腺機能亢進症を疑わせる所見はなかった。全体的にやせてはいるが,特に胸部はかなり扁平な感じを与えた。前胸部の触診で振戦をふれず,打診において心拡大を認めなかった。脈拍は毎分100で呼吸性不整脈あり,血圧は115/65であった。聴診では胸骨左縁第2〜3肋間でⅡ音の分裂を認め,また同部位でLevine Ⅱ度の駆出性収縮期雑音を聴取した。
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