特集 呼吸機能の正常値
肺循環系圧分布
藤本 淳
1
1大阪府立成人病センター
pp.810
発行日 1966年9月15日
Published Date 1966/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201661
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肺循環系の圧測定には心臓カテーテルを肺動脈に挿入し,肺動脈圧および肺毛細管圧を,一方経皮的あるいは経心房中隔より左心房圧を測定する。このためには,心臓カテーテル・導管および圧力変換器をもって,mono—meter systemを構成しなければならぬ。このさいにはmonometer system の応答速度や周波数特性が問題となる。最近ではカテーテルの先端に圧力変換器をつけた直接測定の器具も用いられている。
血圧測定で問題となるのは,圧基準点,すなわち零点の位置ということになる。肺循環系の圧は背臥位で測定されるとき,1)胸骨角より5cm下方,2)検査台上10〜12cmが用いられている。実際上は装置の組立てを容易にするために,検査台上10cmの点が臨床では用いられている。しかし異なった体位で測定するさいには,予め零点を規定しておかねばならない。カテーテル先端付圧力変換器を使用した場合は,カテーテル先端位置をレ線透視で確認し,補正しなければならない。
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