Japanese
English
綜説
肺の移植
Auto-and Homo-transplantation of Lung.
辻 泰邦
1
Yasukuni Tsujl
1
1長崎大学医学部第1外科教室
1The 1st Dept. of Surgery, School of Medicine, Nagasaki University.
pp.408-416
発行日 1965年6月15日
Published Date 1965/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201454
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I.緒言
臓器の同種移植は外科医の夢の一つであったが,外科手術と免疫学の進歩に相俟って,腎のみでなく心・肺・肝の移植が実験的に施行されるようになり,腎においては既に臨床的にある程度の成功を収め,肺においても1963年6月11日米国のHardy1)が世界で初めて人肺の同種移植を試み,一般の注目を集めたところである。このように肺移植も次第に臨床応用の気運に向いつつある現状である。
臓器の移植を行なうには,免疫反応によるre—ject反応を解明しない限り,臨床応用は到底望みえない。しかし肺移植手技の向上を図り,移植肺の機能を解明する必要もあって,1950年Stauda—cher2),Juvenelle3)などによって実験的自家肺再移植が行なわれた。その後,欧米においてはNeptune4),Lanari5),Blumenstock6),Nigro7)8),本邦においては鈴木9)・辻・中島10)11)らによって,詳細な検討が加えられ,肺再移植に関する限りでは十分に臨床応用が可能な段階となった。
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