Japanese
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診療指針
最近の麻醉に於ける呼吸の問題—特に調節呼吸について
How to Control the Respiration During Anesthesia.
西邑 信男
1
Nobuo Nishimura
1
1東京逓信病院麻酔科
1Dept. Anesthesia, Tokyo Teishin Hospital
pp.353-356
発行日 1957年5月15日
Published Date 1957/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200498
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前 言
麻酔を行う上に於いて最も大切な事の1つは患者の充分なる呼吸機能を保持する事である。1554年Vesalinsが動物の開胸時に酸素をふきこんでやり酸素の必要性をとき,1924年Watersは炭酸ガス吸収装置を麻酔中に使用した。更に1936年になりGuedel及びTreweekによりかの有名な"エーテル無呼吸法"が始められるに至り,麻酔中に患者の呼吸をとめてしまい積極的に呼吸を調節してゆこうと言う考えが実行にうつされた。ひきつづき1934年Waters等により"サイクロプロペイン"更に1942年Griffith及びJohnsonにより"クラーレ"の麻酔えの応用が発表され,麻酔中に於ける患者の呼吸調節が麻酔学に於ける重要な問題としてとりあげられた。特に近来実に多種多様の人工呼吸器が麻酔中に使用される様になり,呼吸の問題はもはやすべて解決したのだとの感をいだかせる。
しかし勿論まだまだ未解決の問題が多く残つているのであり,最近の麻酔学雑誌は必ず一及至二題の呼吸に対する問題を取り扱つた論文をのせている。
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