カンフアレンス
症例検討協議会・Ⅲ
高橋 敬亮
pp.555-558
発行日 1956年7月15日
Published Date 1956/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200393
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主治医新井 患者 田○井○殿 21才 男 家族歴には特記すべき事はない。既往歴としては13才頃より16才頃迄右膝関節に疼痛があつたが,歩行には差支えなかつた。この間,神経痛との診断のもとに医師により治療を受けていた。その他には特記すべき既往歴はない。自覚症は全くなく,昭和27年に入社試験の際,心臓弁膜症といわれ同年10月頃某大学医学部を訪ねカテーテル検査にて心房中隔欠損症との診断を受けたが手術を施行せずに退院した。昭和31年4月17日今回は手術を希望して当研究所に入院した。
入院時所見:身長165cm,体重54.2kgで発育状態は良好,チアノーゼ,太鼓ばち指等認められず胸廓の変形も認めない。外見は全くの健康児子である。脈搏は1分間60で整,緊張は良い,血圧は右120〜60mmHg,左110〜65mmHg,肺肝境界は第Ⅵ肋間,心濁音界は右が右胸骨縁,上が第Ⅲ肋骨上縁,左が乳線上であり心尖部は第Ⅴ肋間である。顫動は触れない。心雑音は第Ⅳ肋間胸骨左縁にて強い収縮期性雑音が聞かれ,心尖部では第1音亢進し雑音は聞かれない。肝脾は触れない。腱反射は正常,浮腫は認められない。X線検査では肺野に軽度のウツ血像が認められる。
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