Japanese
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巻頭言
病理解剖より病態生理へ
From the Pathological Anatomy to the Pathological Physiology
杉 靖三郞
1,2
1東京教育大
2東大生理
pp.195-196
発行日 1953年9月15日
Published Date 1953/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200106
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戰後の醫學は大きく轉回し,ますます進展しつつある。これは,化學療法劑や抗生物質の發達に負うところが大きいのであるが,また基礎醫學の進歩に負うところが,一層大きいのである。よく考えてみると,化學劑や抗生物質それ自身も,基礎醫學的研究から生み出されたものなのである。
では,基礎醫學はどのようにして治療醫學の進歩に貢献しているか。それは,これまで個々別々になつていた基礎醫學の諸部門が,いつしよになつて治療へ集中されるようになつたからでもあるが,とくに,これまでの形態的變化を主にした"病理解剖"的なものから,機能を中心とした"病態生理"的な行き方に,大きく切換えられたからである。そして,死せる形態から,生きた機能へと目が向けかえられたからである。
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