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Bedside Teaching
Drug-Coated Balloon
Drug-Coated Balloon
樋口 義治
1
Yoshiharu Higuchi
1
1日本大学医学部内科学系循環器内科学
1Department of Cardiovascular Medicine, Nihon University Graduate School of Medicine
pp.893-898
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102563
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はじめに
1979年のPCI開始より以降,PCIデバイスの歴史は再狭窄抑制の歴史であったと言える.スキャフォールドとしてのステントに局所薬剤送達の役割を加えたものが薬剤溶出性ステント(DES)であり,再狭窄抑制における革命であった.しかし金属製スキャフォールドと薬剤溶出のためのポリマーの存在が,DES特有の臨床的問題点を惹起してきたのも事実である.現在主流の第2世代DESによって遅発性ステント血栓症の問題は克服されつつある.しかし,頻度は少ないながらもステント内再狭窄(in-stent restenosis;ISR)を来す症例が存在し,それに対する治療戦略に確かな指針はない.もう一枚DESを重ねる“Stent in stent”は有効な方法であるが,一方で金属が2枚重ねになり,ポリマーも残存することから慢性炎症を惹起する可能性が指摘される.今年から本邦で上市されたdrug-coated balloon(DCB)はDES以来の久々に発売されるnew deviceである.冠動脈プラーク局所への薬剤の有効な到達と保持のための工夫が凝らされている.DES全盛の時代にあってDCBの原理と構造,臨床成績と今後の展望について概説する.
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