書評
―榊原博樹 編―睡眠時無呼吸症候群診療ハンドブック
飛田 渉
1
1東北大学保健管理センター
pp.1075
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101568
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ヒトの1日は平均して覚醒が16時間,睡眠が8時間からなるサイクルで繰り返されている.したがって,人生の約1/3は眠っていることになる.この睡眠時間は本人にとっても周囲にとっても身体の状態を把握できないブラックボックスの時間帯である.呼吸は随意的に調節できる意識下の調節系と,睡眠中の呼吸のように呼吸中枢自体のリズムによって行われる無意識下の調節系の二重の調節系によって行われている.したがって,覚醒時には上位中枢による代償機序が働いているため異常所見を検出しづらいのに対し,睡眠中にはこの代償機序が低下するため呼吸中枢自体の異常を検出しやすくなる.
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