Japanese
English
特集 循環器疾患と地域連携
循環器疾患の再発予防・重症化予防
Prevention of Recurrence and Worsening in Cardiovascular Disease
町田 陽二
1
,
東條 美奈子
1
,
和泉 徹
2
Yoji Machida
1
,
Minako Tojo
1
,
Toru Izumi
2
1北里大学東病院心臓二次予防センター
2北里大学医学部循環器内科学
1Division of Preventive Medicine in Cardiology, Kitasato University East Hospital
2Department of Internal Medicine and Cardiology, Kitasato University School of Medicine
pp.33-41
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101181
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はじめに
循環器病の代表疾患である虚血性心疾患の治療は薬剤溶出性ステントの登場によって急性期治療の成績が劇的に改善され,再狭窄に悩む多くの患者を救うことに貢献してきたが,今なおわれわれの前には狭心症や心筋梗塞を再発して運び込まれてくる患者で溢れかえっている.また,心不全治療においても多くのエビデンスを背景にβ遮断薬療法や心室ペーシング療法が普及し,以前は救うことが叶わなかった重症心不全患者をも社会復帰できるまでに回復させることが可能となった.この目覚ましい治療成果とは逆説的に心不全の再発・増悪による入退院を繰り返す高齢患者が後を絶たない.急性期を乗り越えた多くの心血管病患者は高齢期を迎える頃には同一の身体に複数の疾患を併せ持つ多疾患有病者へと変貌させ,再発や増悪の予防にはもはや一病院の一専門医が心血管病を診ているだけで解決されるはずはなく,医療連携を軸とした包括的な疾病管理を担う仕組みを構築することが急務とされる.そこでクローズアップされるのは慢性疾患を対象とした増悪因子の管理や合併症管理,患者・家族の教育といった包括的な疾病管理の問題1)である.
本稿では北里大学東病院心臓二次予防センターにおける心血管病患者の再発予防活動について紹介し,そのなかで浮き彫りとなった包括的な疾病管理の課題を提起する.
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