書評
ペースメーカー・ICD・CRT実践ハンドブック
岩瀬 三紀
1
1トヨタ記念病院
pp.609
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207570
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入門,復習,Step upに最適な循環器病デバイスの実践書
循環器病学における薬物療法は,心不全時に活性化する交感神経系とレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系の薬剤が大規模臨床試験によりその効果が認められ,心不全患者の予後は著しくカイゼンしました.しかし,薬物療法だけでは限界があり,薬物不応の心不全患者も多数おられます.近年,植込み型デバイスによる治療の進歩が著しく,その普及や心疾患患者の予後のカイゼンがますます期待できます.具体的には,徐脈に対するペースメーカー,致死性不整脈に惹起される心臓突然死予防に対する植込み型除細動器(ICD),治療抵抗性心不全に対する心臓再同期療法(CRT)が代表的なデバイスです.これらの植込み型デバイスによる治療は,多くの患者さんの生命予後のみならず,生活の質Quality of Life向上への貢献は絶大です.
不整脈と植込み型デバイスに関する実践的かつ詳細な参考書は,それぞれ個別に専門書を用意する必要があります.両領域を一つの書籍で得ようとすると,内容が広く浅くなりがちになります.コメディカルや看護師でも理解しやすく表現されている入門書は雑誌の特集も含め多く存在します.しかし,そのような入門書では専門的な用語が省かれ,根底の基礎理論の理解のためには役不足の感は否めません.
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