Japanese
English
今月の主題 転移性消化管腫瘍
序説
転移性消化管腫瘍の特徴と特性
Introduction
小林 広幸
1
Hiroyuki Kobayashi
1
1福岡山王病院消化器内科
キーワード:
消化管
,
転移性腫瘍
,
転移様式
,
画像診断
,
免疫組織化学染色
Keyword:
消化管
,
転移性腫瘍
,
転移様式
,
画像診断
,
免疫組織化学染色
pp.991-993
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202951
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近年の医療統計によれば,一生涯のうち日本人の2人に1人はがんに罹患し,男性4人に1人,女性6人に1人はがんで死亡すると推定されている1).実臨床でも,日本人の長寿・高齢化に伴い,複数の悪性腫瘍の既往歴のある高齢患者は増えてきており,今後は転移性消化管腫瘍に遭遇する機会も増えてくると予想される.このような背景から,本誌では38巻13号「消化管への転移性腫瘍」(2003年)以来,およそ20年ぶりとなるが,「転移性消化管腫瘍」を主題として取り上げた.
転移性消化管腫瘍は,他臓器(消化管も含む)に発生した悪性腫瘍が原発巣とは異なる部位の消化管壁に転移し浸潤,発育したものであるが,その形態は原発巣からの転移様式により,ある程度特徴的なX線造影・内視鏡所見を呈することが多い.また,一部の原発巣(組織型)では,特徴的な転移病変を呈するものもあり,原発性の消化管腫瘍や炎症性病変との鑑別の一助となる.さらに,原発臓器により転移を生じやすい消化管やその好発部位があり,ある程度原発巣を推定することも可能である2)〜9).
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