消化管組織病理入門講座・19
【胃】分化型腺癌─乳頭腺癌,管状腺癌,再生との鑑別
石田 和之
1
,
永塚 真
1
,
菅井 有
1
,
鳥谷 洋右
2
,
松本 主之
2
1岩手医科大学医学部病理診断学講座
2岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野
pp.110-118
発行日 2017年1月25日
Published Date 2017/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200821
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はじめに
胃癌の組織型は,悪性上皮性腫瘍として,一般型と特殊型とに大別され,さらに一般型はa.乳頭腺癌,b.管状腺癌,c.低分化腺癌,d.印環細胞癌,e.粘液癌に分類される1).胃癌取扱い規約では組織型は量的に優勢な組織像に従い分類され,異なる組織像を含む場合は優勢像から列記する.一方,TNM分類では,量的に劣勢であってもより低い分化度を組織型として分類していることに注意が必要である2).また,胃癌を2分類することもよく行われており,分化型腺癌(乳頭腺癌,管状腺癌)と未分化型腺癌(低分化腺癌,印環細胞癌)あるいは腸型とびまん型に分類される1).
本稿では,分化型腺癌に分類される乳頭腺癌と管状腺癌について概説する.
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