Japanese
English
今月の主題 一度見たら忘れられない症例
主題
直腸肛門部にみられた悪性黒色腫の1例
Malignant Melanoma of the Anorectum, Report of a Case
十倉 淳紀
1
,
斎藤 彰一
1
,
安江 千尋
1
,
井出 大資
1
,
千野 晶子
1
,
五十嵐 正広
1
,
河内 洋
2
Junki Tokura
1
1がん研究会有明病院消化器内科
2がん研究会有明病院臨床病理センター病理部
キーワード:
直腸肛門部
,
悪性黒色腫
,
転移性胃腫瘍
Keyword:
直腸肛門部
,
悪性黒色腫
,
転移性胃腫瘍
pp.1179-1183
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202122
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臨床経過
患者は50歳代,女性.
肛門痛を主訴に近医を受診し,病変を指摘されたため当院に紹介され受診となった.既往歴に特記事項はなかった.当院の下部消化管内視鏡検査(total colonoscopy ; TCS,Fig.1)では,肛門縁から脱出する巨大な黒色腫瘤を認めた(Fig.1a〜c).また,盲腸(Fig.1d),上行結腸(Fig.1e),上部直腸(Fig.1f)にも黒色の隆起性病変や,色素沈着が散在性に認められた.さらに,上部消化管内視鏡検査(esophagogastroduodenoscopy ; EGD)(Fig.2)では,胃角部後壁(Fig.2a),胃体中部大彎(Fig.2b)にびらんを伴う黒色の色素沈着を認めた.
その他,CTにて両側鼠径リンパ節の腫大を認めた.以上より直腸肛門部原発の悪性黒色腫(anorectal malignant melanoma ; AMM)を考え,皮膚悪性黒色腫に準じたstaging(第7版AJCC皮膚メラノーマ病期分類)で,cT4bN0M1,cStage IVと診断した.肛門の疼痛,また出血のコントロール不良のため,AMMに対して経肛門的局所切除術が施行された.
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