Japanese
English
今月の主題 内視鏡医も知っておくべき病理診断リファレンス—上部消化管腫瘍
序説
消化管診断学における点と面
Introduction
松本 主之
1
Takayuki Matsumoto
1
1岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野
キーワード:
内視鏡診断
,
病理診断
,
上部消化管腫瘍
Keyword:
内視鏡診断
,
病理診断
,
上部消化管腫瘍
pp.353-354
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201988
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
消化管疾患の領域でも,AI(artificial intelligence)技術の導入に関する研究が進んでいる.特に内視鏡診断では,AI技術による腫瘍性病変の検出と質的診断,小腸疾患の拾い上げ,炎症性腸疾患の重症度診断などmachine learningを用いたアルゴリズムが続々と発表されている.中でも,大腸上皮性腫瘍に対する超拡大内視鏡を用いたAI診断は保険承認・薬価収載されており,今後も改良が加えられていくものと予測される.このシステムは,1980年代から精力的に拡大内視鏡を臨床応用してきた本邦の内視鏡医と組織診断を積み重ねてきた病理医の共同作業の成果であり,消化器内視鏡におけるAI技術応用の成功例と言えよう.
21世紀になり,消化管内視鏡機器開発にはめざましい進歩がみられている.画像強調機能を搭載した機器が標準となり,通常光観察や色素内視鏡観察よりも病変を明瞭に描出することが示されている.さらに拡大観察を併用することで,粘膜の表面構造と表層の血管構造を明瞭に観察することも可能である.そして,これらの情報を効率よくアルゴリズムに組み込むことで,より正確なAI診断体系が構築される.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.