Japanese
English
今月の主題 いま知っておきたい食道良性疾患
序説
いま知っておきたい食道良性疾患
Introduction
高木 靖寛
1
Yasuhiro Takaki
1
1地方独立行政法人芦屋中央病院内科
キーワード:
食道良性疾患
,
形態的特徴
,
内視鏡診断
Keyword:
食道良性疾患
,
形態的特徴
,
内視鏡診断
pp.233-235
発行日 2020年3月25日
Published Date 2020/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201961
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はじめに
臨床の場で多く遭遇する食道腫瘍は悪性腫瘍である食道癌であり,拡大観察を含めた内視鏡診断は近年目まぐるしく進歩している.一方,食道の良性腫瘍および腫瘍様病変などの良性疾患は,GA(glycogenic acanthosis),乳頭腫,平滑筋腫を除きまれなものが多く,検査時に遭遇する機会は少ない.さらに食道良性疾患の多くは上皮に由来する病変ではなく,結合組織,神経組織や脈管などの非上皮性のものや炎症に関連した病態をとるものが多く,生検による病理組織学的検査に頼るだけではなかなか確定診断に結びつかない.
これらのまれで特殊な食道疾患の領域にターゲットを絞った特集は,筆者が知る限り,書籍では「食道疾患レアケース・アトラス」(1999)1),本誌では43巻3号「まれな食道良性腫瘍および腫瘍様病変」(2008)2),51巻2号「まれな食道疾患の鑑別診断」(2016)3),54巻10号「知っておきたい特殊な食道腫瘍・腫瘍様病変」(2019)4)で取り上げられ,各疾患についてきれいな画像提示と詳細な解説がなされている.まれな疾患は多数例の経験が困難であり,容易に確定診断に至らないことも多いが,各病変は,その形態,色調や硬さ,発生部位などに特徴を有することも多く,それらを理解し知識を積み重ねていけば実臨床の場での診断能の向上に寄与すると考える.
以下に本特集号で取り上げられた疾患の形態的特徴,要点について簡単に述べる.
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