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編集後記
江頭 由太郎
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1大阪医科大学病理学教室
pp.513
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201343
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腸管感染症(感染性腸炎)の診断は最終的に,微生物学的検査により確定されることが多いが,内視鏡所見や臨床所見から原因微生物が推測可能な場合や,確定診断にまで至れる場合も少なくはない.また,腸管感染症はしばしば他の炎症性腸疾患,特にIBD(inflammatory bowel disease)との画像診断での鑑別が問題となり,両者の鑑別に苦慮する症例もまれではない.IBDの正確な診断と適切な治療のためには,腸管感染症の画像診断に精通していることが必要不可欠である.前回「胃と腸」誌で腸管感染症が取り上げられたのは,10年前の43巻11号「感染性腸炎─最近の動向と知見」(2008年)である.この間,腸管感染症の内視鏡像を主体とする画像所見の集積が進んでおり,また,腸管スピロヘータ症やエロモナス腸炎などの疾患が新たに注目されている.
本号は斉藤(市立旭川病院消化器病センター),清水(大阪鉄道病院消化器内科),江頭(大阪医科大学病理学教室)の3人で企画を進めた.企画の目的は,最近注目されている疾患を含めた腸管感染症を再整理して,画像所見や臨床像を中心に解説してもらい,腸管感染症,ひいては炎症性腸疾患の診療に貢献することである.
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