増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔咽喉頭・食道〕
柵状血管(esophageal palisade vessels)
竹内 学
1
1長岡赤十字病院消化器内科
キーワード:
食道胃接合部
,
胃粘膜ひだ上縁
Keyword:
食道胃接合部
,
胃粘膜ひだ上縁
pp.555
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200906
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
定義
胃噴門部の粘膜下層から食道の粘膜固有層に移行し,粘膜固有層で2〜3cm縦走し,食道の粘膜下層に至る静脈の存在が1966年De Carvalho1)により報告され,食道柵状血管と命名された.内視鏡的には,下部食道に縦走する血管群として認識される.食道胃接合部(esophagogastric junction ; EGJ)は病理組織学的に食道と胃の筋層境界と定義されており,胃噴門部筋層には斜走筋が存在するが,食道には存在しない.この斜走筋の上縁が理論上EGJの境界であるが,組織切片上であってもその同定は難しい.そこで,星原ら2)は下部食道柵状血管の下端をEGJの適切な指標として提唱し,現在本邦におけるEGJの診断に用いられている.また,病理学的には柵状血管は胃上部粘膜内血管より有意に血管径が太く(約100μm以上),この血管径の違いが食道と胃の指標になりうるとされている3).
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.