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編集後記
赤松 泰次
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1地方独立法人長野県立病院機構長野県立須坂病院内視鏡センター
pp.825
発行日 2014年5月24日
Published Date 2014/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403114167
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悪性リンパ腫の診断や治療は,近年目覚しい進歩を遂げた.診断においては免疫組織染色や分子生物学的診断の確立によって,正確かつ詳細な分類を行うことが可能になった.一方,治療においても,分子標的薬の開発や,治療抵抗例への骨髄移植を併用した化学療法など,新しい治療戦略が普及してきた.カプセル内視鏡(CE)やバルーン小腸内視鏡(BE)の登場によって小腸病変の術前診断が容易になり,治療においては非手術的治療が胃や直腸では主流になっている.本増刊号はlow-grade lymphomaとaggressive lymphomaに大別し,消化管悪性リンパ腫の診断や治療に関する最新の知見が一冊にまとめられ,有益な情報が満載されている.以下,本号の概要を紹介する.
悪性リンパ腫の分類として,時代的変遷や,WHO分類第4版の改訂ポイントと作成過程が記載されている.遺伝子異常については,MALTリンパ腫,濾胞性リンパ腫,マントル細胞リンパ腫,Burkittリンパ腫を中心に解説がなされており,DLBCLでは多様な遺伝子異常が認められ,分子病態的には一つの集団ではないと述べている.また,病期分類についてはAnn Arbor分類とLugano国際会議分類について,必要な検査項目を解説している.
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